夜勤の仕事を終え、俺、和哉(かずや)は仮住まいの寮に車を走らせた。
最近どうにもこうにも疲労感から眠気が取れず、早く帰って寝たい状態なのだ。
「あ~、だるいな」
人間、己の生物的三大欲望には勝てないと決まっている。
いわゆるアウトなんとかって奴で、今は某県にある大手メーカーの工場で働いているが、わりと深夜まで勤務があり、休みもほぼない繁忙期なため、体が疲弊しきっている。
仕事はキツいが金にはなるという覚悟で来たはいいが、数年就業していれば体も軋む。
単純作業といっても辛い部分はある。
そんな俺にも、僅かに残る貴重な休日の楽しみはある。
周りの同時入社した奴らは、近隣に立て並ぶパチンコ屋やピンクパブ通りで発散しているが、自分の場合は、半ば遊び目的で登録した「出会いアプリ」を使い、冷やかしつつグダグダと適当な女性とやり取りすることに嵌っている。
金はそこそこ稼いでいるから課金も気にせず行い、相手の反応やメッセージを見ながら、あれこれいじって楽しむという趣味の悪いやり方だ。
──客観的人間観察
といえばかなり聞こえはいいが、俺自身、これまで良くも悪くも様々な人間の明暗を見てきた。
文面などでもそれは充分あぶりだせるし、判断できるものなのだ。
そんなゲス染みた遊びを繰り返していたある日の週末、いつもどおり疲れてゴロゴロしながら、俺はある女性とメッセージ交換をしていた。
なんだか楽しそうな雰囲気ではあるが、コレ、もともと業者の女の子(笑)
相手の子、和泉(いずみ)ちゃんは、プロフィール上では30前半と謳っているのだが、本当は25歳と自分でバラしてきた。
でも20程度にしては、載せてた写真の髪の毛はわりとはねっ毛多めで乱れがち。
仕事しか興味ありません!って真面目そうな表情だが、よくみるとくりっとした目で、整えれば全然イケるはず…なのだ。
──ちょっともったいないなあ
と俺は会話しながら思っていた。
和泉ちゃんとはやりとりするうちに数回飲んだりちょっとした施設に出かけたりと、模擬デートの雰囲気で楽しんでいた。
彼女はいつも上半身はノースリーブ系の格好で、腰から下は膝丈より上のパンツルック。
たまに上着を羽織るくらいなのだが、特にお尻から太腿の辺りの丸みが強く、胸は…今時で言うならシンデレラバストと言える控えめな感じだ。
時々天然なのか計画的なのか、腰周りを強調するポーズを取る行動が多いため、俺はそのたびに目線を泳がせてしまう。
アレはある週末の飲みの誘いだったか。
その日は和泉ちゃんの仕事終わりが大きくズレ込み、数度やりとりしてようやく落ち合う。
彼女はフランクな付き合いのわりに生真面目だ。
口調こそくだけているが、約束の類はお手本になるほどキッカリ待ち時間を合わせるし、どこにいくにも料金はきっちり折半という几帳面さ。
それゆえ、今日も遅れないようにと気を使ったのだろう。
二人の定番飲み会は、すっかり何度も足を運んでいる狭い居酒屋。
最初のデートのときネットで検索したのだが、なんでも地鶏しか使わないというので行ってみたものの、両名とも「ビミョー」という評価を下した店である。
しかし雰囲気はよく、混雑しているのに相席で急遽合コンが始まったりと面白いのだ。
今日も常連らしいオッサンらと意気投合してしまい、必然的に俺と和泉ちゃんが話題のネタとなってしまった。
片方のオッサンに困り顔する彼女。
もう一人のオッサンにも詮索されてしまい、いちいち否定して慌てるところが可愛い。
オッサンらが帰ったあとも、俺らはグダグダと他愛のない話をしつつ飲んでダベるが、心なしか和泉ちゃんの飲むペースが早いように見える。
彼女の目つきが明らかに普通しゃない。
俺はノースリーブのきれいな腋に抱えられていたメニューをさっと取り上げた。
突然テーブルの端に両ひじでよしかかり、こっちをジーーッと睨む。
思わず俺はチビチビ飲んでいた芋焼酎をコップに吹き出す。
あのまん丸おしりを凝視していたのは事実だが。
俺は既に和泉ちゃんの作戦に嵌っていた、というわけだ。
──まあ、確かにこんな子なら、とは思ってたが。
なんとも軽いお許しだったが、彼女の決意と共に自分の股間は素直な反応を示していた。
期待とちょっとの不穏を胸に、俺は和泉ちゃんを連れてホテルに向かった。
了承があるとはいえ、女性を悦ばせる経験値は少々足りない。
彼女の細い指が握ってくる右手には、じわじわと冷や汗が絶えず湧く。
でも緊張してるのは向こうも同じだった。
適当に見繕った施設に入り、ちょっと奥に行ったあたりのドアをくぐる。
お世辞にも広いとは言えない、雑然とした行為専用部屋ともいえる造りで、ビジネスホテルくらいシンプルに調度品が置かれている。
ベッドはちゃんと二人で寝られる広さだったのが救いか。
「じゃ、脱ぐね」
和泉ちゃんは、決心したような表情をしながら衣服を脱いでいく。
脱ぐたびに面積を広げる柔肌と、彼女らしい生真面目な肌色でシンプルデザインの下着。
それらを目の前に晒し、こちらを向いて立っている。
俺はなんともいえない艶やかさに心を動かされ、ゆっくり彼女をベッドに寝せて、軽くキスをしてあげた。
「ふ、ふぅん」
向こうからもギュッと唇を押し付けられ、舌を差し込む形でディープキスに変えていく。
「うんっ、くふぅ」
背中にあるブラホックを外して乳房を揉みながら、頂点にある突起に舌先を当てた。
早くも存在感を出している乳首をじゅ、じゅっと吸ったり、舌や指で転がすと、彼女は快楽を感じているのか、首や腰をくねくねと動かす。
「下はどうかな」
「あっ、たぶん、濡れてる…」
チラっと目を股間に向けると、ベージュの布に覆われたアソコは大きなシミを作っていて、右手の指で軽く触っただけでも水気を感じるくらいだった。
「自分でするより、濡れてるかも…」
ショーツを脱がすと、みずみずしいほどに水分を含んだおまんこは指にあわせて、くちゅ、くちゅを音を鳴らす。
俺は夢中で割れ目を擦りながら、その上にあるクリトリスを指先でいじったりして、さらに愛液の粘度を高めていく。
「はっ、あっ、はぁぁ、あんっ」
口に両手を当てて、甘いあえぎ声を出す彼女。
顔はもうほんのり桃色になって、その表情もなんとも可愛い。
さらに攻め立てて、ぐちゃぐちゃ音がするくらいおまんこをいじると、
「だめ、い、イっちゃう、あはぁぁぁぁ!」
よほど感じていたのか、ほどなくして和泉ちゃんは頂点に達してしまった。
「我慢できないから、このままイイか?」
「うん」
本当はフェラとかもっと色々楽しみたかったけど、昂ぶり過ぎて俺のチンコに余裕はない。
ゴムだけ彼女の細い指にはめてもらい、正常位の体制で濡れ光るおまんこに棒先を当てる。
狙いが定まったところで、まっすぐに挿入した。
「あはぁぁ、あぁぁぁぁ!」
ぐい、ぐいっと中へ進めていくたびに、和泉ちゃんはこれまでより一番大きな声で叫ぶ。
発声するたびに締められていく膣内は俺にも強い快感が襲ってくるほど強烈で、腰を動かすたびに射精感が増していく。
「すごく気持ちいい、もたないかも」
「あ、はぁん、わたしもっ!」
気を緩めたらすぐにでも爆発しそうな気持ちを抑え、俺は和泉ちゃんが達するのを待つ。
惚れてくれたというのが嬉しく、そうしてあげたいという思いがあったからだ。
「だめ、だめっ、ああっ、キちゃう!」
「イってくれ!俺も出す!」
「いぁぁぁぁぁん!」
絶叫して背筋を硬直させたあと、ビクビク震えて和泉ちゃんが絶頂に達した。
振動は俺のチンコにも強く伝わり、それに応じて彼女の膣内で大量に精子を吐き出していた。
「今度はもっと色々やりたいなあ」
「スキっていったら許す~、かもね」
帰り道の最後までやり取りは軽かったが、すっかり俺と彼女は意気投合してた。
正直、家に戻るのが惜しかったくらい。
アレ以来、和泉ちゃんとは『軽い恋人』である。
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